パワハラ慰謝料160万円「長時間労働は当たり前」発言が不法行為に
東京都内で働く労働者2名が、代表取締役らにパワハラを受けたとして訴えた裁判で、不法行為が成立、代表取締役らに慰謝料計160万円の支払いが命じられました。
今回の背景には、従業員の約3分の1が、1か月100時間超の時間外労働をしており、繁忙期における長時間労働が常態化していた背景がありますが、問題となった代表らの言動は以下の通りです。
1.平成31年4月、母の入院に際して年次有給休暇を5日間申請したが、取締役は2日しか認めなかった。
2.令和2年頃、取締役が徹夜で勤務をしないように言ったが、対策は何も取られなかった。
3.令和2年4月頃、「ゴールデンウィークに客先が休んでいるからと言ってお前らも休めると思うなよ」と発言した。
4.令和3年6月、過重労働の負担を訴えた労働者に対して取締役が「あんなの年度末なんだから当たりまえ」と発言した。
5.令和4年3月、取引先から図面修正依頼があったことを受け、取締役が従業員に電話をかけ休日出勤させた。
※訴えを起こした労働者の内、一人は在籍中、他は退職、体調不良による自宅待機となる。
代表取締役や役員らは、このような言動がハラスメントにあたることも、認識していなかった可能性がありますが、決して許されることではありません。ハラスメント予防をより進歩させる上でも、大変参考となる事例です。