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作業面の照度基準(事務所安全衛生規則10条)

         

事務所衛生基準規則(労働安全衛生法に基づき定められた、事務所の衛生基準を定めた厚生労働省令)では、事務所その他の作業場における労働者の清潔保持等のために事業者が講ずべき措置等について定めています。その中で、「事務室の環境管理」に関して、10条で作業面の照度基準を定めています。

1 作業面の照度等

10条1項では「事業者は、室の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない」とし、以下の表を定めています。

作業の区分 基準
一般的な事務作業 300ルクス以上
付随的な事務作業 150ルクス以上

2項では、「事業者は、室の採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によらなければならない」とし、3項では、室の照明設備について6月以内ごとに1回の定期点検を義務付けています。

2. 条文解説

本規則における「事務所」とは、「建築基準法第2条第1号に掲げる建築物又はその一部で、事務作業(タイプライターその他の事務用機器を使用して行う作業を含む。)に従事する労働者が主として使用するもの」としています(1条1項)。

なお、「工場現場の一部において、ついたて等を設けて事務作業を行っているものは、本規則による事務所に該当しないこと」と解釈されています(昭46・8・23基発597号)。

「作業面の照度」とは、机の上などの面に達している光の度合いのことを指します。オフィス全体の明るさのことではありません。「ルクス」(lx)とは、その場所(面)に到達している光の量(照度)の単位で、この数値が高いほど明るい状態であることを示しています。

「一般的な事務作業」とは、例えば、製図作業や文字を読むなどの一般の事務作業で、付随的な事務作業に該当しないものです。「付随的な事務作業」とは、例えば、資料の袋詰め等、事務作業のうち、文字を読み込んだり資料を細かく識別したりする必要のないものが該当します。

照度の定めは、照度不足の際に生じる眼精疲労や、文字を読むために不適切な姿勢を続けることによる上肢障害等の健康障害を防止する観点から、全ての事務所に対して適用されます。 

3.その他

PCなど情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインでは、情報機器作業における書類およびキーボード面における照度は300ルクス以上としています(令元・7・12基発0712第3号)。また、在宅勤務・テレワークの作業時にも留意が必要です。

厚生労働省「ご存じですか?職場における労働衛生基準がかわりました(令和3年12月)

jimushoannzen

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